我が家が新築で戸建てを買ったのは2010年。
その時、家には「エコウィル」という家庭用コジェネレーションシステムが付いていたが、10年経ち、故障が目立つようになったので、「エコジョーズ」に乗り換えたのだが、読者の参考に役立つように、その経緯を記しておきたいと思う。
さくら建設の新築一戸建て物件
東急リバブルから紹介され、神奈川県横浜市の戸建てを購入したのは2010年8月。
さくら建設(神奈川県川崎市)が売り出していた建築条件付き土地で、間取りは変えられないものの、外装や設備は自分たちでカスタマイズして建てることができた。
一応記しておくと、さくら建設は地元の建設会社ではあるが、10年経っても劣化の少ないしっかりとした家を建ててくれるので、お勧めできるいい建築会社だ。
付属するエコウィルの突然の故障
購入した戸建てに付属していたのが「エコウィル」というシステムで、都市ガスで発電を行って家の電気をまかない、排熱を給湯に利用するという家庭用コジェネレーションシステムであった。
それなりに電気料金の削減に役立ってはいたと思うが、6-7年経つ頃から徐々に故障が目立ち始め、ついには保障も切れて、修理代はすべて自腹という状態になってしまった。
2020年10月(設置後11年目)、突然663エラー(循環回路異常(暖房 1 次側回路)の意味らしい)がリモコンに表示されるようになり、床暖房が止まったり、お湯が出なくなってしまった。
早速、東京ガスのサービス会社であるライフバルを呼ぶと、床暖房にお湯を供給するポンプと弁が壊れており、修理には7万円かかる(!)との見積もりであった。
それまでも時々故障があったが、いずれも1, 2万円とか、高くても4万円程度の修理代であり、7万円という値段はかなり高額に聞こえた。
そのため、私達は「もう修理はやめて、新しい給湯システムを導入しよう」と考え始めた。
エネファーム vs エコジョーズ
エコウィルは既に新規の販売は行われておらず、ライフバルから常に勧められて来たのは「エネファーム」であった。
これは、エコウィルの後継機ともいえるコジェネレーションシステムで、燃料電池により発電する仕組みであった。
しかし、本体代金と設置費用を考えるとおそらく200万円にもなり、しかも10年で保証は切れて、その後の修理は高額になるという情報もあったので、どうしても元は取れず、無理だと思った。
なぜなら、200万を120ヶ月で割ると、月に16,000円ほどになるが、ガスは常に使い続けるためガス代が減るわけではなく、発電した電気は自家消費に回せるものの、そもそも電気代が月に16,000円を超える月はほとんどなかったからだ。
つまり、設置費用を10年間で回収することはほぼ不可能だという計算結果になった。
そして、「エコジョーズ」(ecoジョーズ)なら、通常のガス給湯器よりは高価になるものの、少ないガス量で効率よくお湯を沸かす省エネ性の高い給湯器のようなので、こちらに乗り換えるのがいいかもしれないと考え始めたのだった。
突然、お湯が出なくなりパニック
しかし、不幸は突如としてやってくる。
ライフバルの作業員が帰った夜のこと、突然お湯が出なくなった。
台所の蛇口からもお湯が出ず、食器洗浄機に繋がったお湯の管からもお湯が出ず、さらにお風呂からもお湯が出なくなった。
食洗機は使えず、食器洗いも冷たい水で行わざるを得なかったが、何よりも辛かったのはお風呂も使えず、シャワーも浴びれないことだった。
晩秋のことだったので、流石に冷水でシャワーを浴びるわけにもいかなかったのだ。
これには家族全員パニックになってしまった。
現代の家において、お湯が全く出なくなるということが、どんなに不便なことか、これは経験した者にしか分からないというくらい、パニックになった。
1時間、1分を争って、復旧させてほしいという気持ちになるものである。
すぐにWebで情報収集したところ、とある業者が24時間即時でエコジョーズを付ける対応をすると宣伝しており、「ここだ!」と飛びつきたくなったのだが、でも、冷静になってその業者の評判を調べてみると、これがかなりひどい評価ばかりだった。
お風呂に入れずにパニックになった心理の中で、「急がば回れ」の行動を取るのはかなり難しかったが、冷静になりいくつか評判の良い業者を探してみたところ、「きゅうとうき.com」というページが見つかった。
お湯が出ることのありがたさを実感
その運営会社を調べてみると、「ほっとハウス」という名前の同じ市内(新横浜)の会社であることがわかった。
早速、電話をしてみると、非常に親切な対応で、取り急ぎすぐにお湯が出るように臨時の給湯器を取り付けることが可能とのことだった。
しかし、その臨時の給湯器を付けるまでは、様々な事情から2-3日かかることとなった。
その間、我が家ではお風呂はもちろんのこと、シャワーも浴びることはできなかった。
お風呂屋さんに行くことも検討したが、コロナが流行っている時期であり、怖かった。
仕方がないので、電気ポットとヤカンで沸かしたお湯を台所から大きなたらいに入れ、水を入れて適温にしたものをお風呂場に運んで、それを少しずつ使いながら、頭を洗い、体を洗った。
当然、お湯は次々と沸かさなければいけず、節約して最小限のお湯で体を洗うように努めなければいけなかった。
お湯が出ないことで、食器洗い機も使えなくなっており、食器をすべて手洗いしなければいけなかった。
流石にこのときは、お湯が出るという当たり前のことが当たり前ではなく、まさに現代文明の根幹をなす重要な要素であるとまで感じたのであった。
こうして、3日ほど台所で沸かしたお湯で家族4人がシャワーを浴びるという生活を過ごした後、ついに臨時の給湯器を取り付ける日がやってきた。
この給湯器は給湯量も小さく、流量を少しでも下げると冷水になってしまうというある意味非力なものであったが、それでもお湯が出ることは非常にありがたいことであった。
見積もり
本番の給湯器は、24号の床暖房対応のエコジョーズ給湯器であった。
価格は以下の通りで、合計254,452円だった。
- NORITZ 熱源機付ガス給湯器 エコジョーズタイプ、屋外壁掛設置型 24号 フルオートタイプ GTH-C2460AW3H BL・13A ※都市ガス:155,727円(定価:471,900円の67%OFF)
- NORITZ マルチリモコンセット (浴室・台所) RC-J112PE ※インターホン機能つき:22,000円(定価:44,000円の50%OFF)
- NORITZ 床暖房リモコン RC-D802C N30:9,350円(定価:18,700円の50%OFF)
- NORITZ オプション 据置台 D55 650:9,075円(定価:18,150円の50%OFF)
- 【施工費】給湯器交換工事費一式 (諸経費込) (エコジョーズドレン配管工事含みます)※熱源機付タイプのため一般タイプとは金額が異なります:58,300円
また、既存の壊れたエコウィルは、撤去せずにそのまま置いておくという選択肢もあったが、やはり大きくて邪魔なので、撤去してもらうことにした。
- エコウィル撤去費 (廃材廃棄・運搬費込):110,000円
これらを合計して、少し値引きをしてもらい、合計354,000円となった。
まとめ
工事は無事に完了し、我が家は再びお湯が出るようになった。
エコウィルの大きな発電機と貯湯機が撤去され、スリムなエコジョーズだけになると、実にスペースが開放された感じがした。
エコウィルは発電しながらお湯を貯めておけるのがポイントであったが、エコジョーズでは使うときにお湯を沸かすシステムであるため、大丈夫だろうかと不安があったが、いざ使ってみると全く不便さはなく、むしろお湯の出る勢いが強くなり、前より快適に感じるくらいであった。
発電がなくなった分、電気料金は月に6,000円ほど上がったが、ガス料金は月に6,000円下がり、合計するとほぼ同じ金額となった。
そのため、「なんだ、エコウィルじゃなくても十分だ」と実感する形となった。
35万円の急な出費は痛手であったが、エネファームの200万円に比べたら1/6の値段(エコウィルの撤去費を除くと1/8)なので、自動車一台分のお金が節約できたと考えれば、変えてよかったと言えるかもしれない。
エコウィルを使っている方は、ぜひエコジョーズへの乗り換えを検討してみてほしい。
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